弱者にこそ戦略が必要である

ビジネスの世界においては、戦略という言葉が多用されるが、その定義はかなり曖昧なまま、悪く言えば知的で難解なものであるというイメージのみが先行しており、適切な使い方がなされていないように思う。

 

そこを正したい。

 

自分が考える戦略の定義とは、「やらなくていいことを決めること」である。

 

RPGの世界を考えていただけるとイメージしやすいだろうが、この世界において何かを行うには 資源(時間、金・・・)が必要である。(武器を買うにはお金が、技の習得にはポイントが必要)しかし、残念ながらわれわれが所持する資源は有限であり、もっと言うとわれわれが現在地に留まり続けようとするだけでも、所持する資源の大半を費やす必要があることが多い。

では、そのような資源がボトルネックになっている環境下で、まず行うべきことは適切な資源の投入先を考えることであり、端的に言えば「やらなくていいことを決めること」である。

戦略とは読んで字のごとく、戦いを略すこと、であり、不必要な戦いを行わないことである。彼我の戦力を比較して、普通の総力戦であれば勝てないところに、一点突破的に戦力を手中させるべきポイントを見出し、そこに決死の覚悟で望むことである。

したがって、戦略は弱者のためのものであり、怠惰な人のものである。